このような疑問をお持ちの方は多いと思います。
私も派遣教員として日本人学校に勤務するまでは、給与体系については全く知りませんでした。
この記事では、私の経験をもとに、日本人学校教員の給与(在勤手当)について解説したいと思います。
解説①|派遣教員の給与は「国内給与」と「在勤手当」を合算した額
日本人学校教員の給与は「①国内給与」+「②在勤手当」で構成されています
①国内給与→各都道府県の条例に基づき、支給されるもの。(本給、扶養手当、期末・勤勉手当など)つまり、今まで国内で受け取っていた給料のことです。
②在勤手当→文科省の規定に基づき、支給されるもの。(基本手当、住居手当など)
日本人学校の教員はこの2つの給与の合算により、現地での生活費を確保することになります。
ちなみに「在勤手当」は外務公務員(大使館職員など)の手当水準を参考にされる手当で、海外生活での費用負担増に対して国内給与を補填するためのものです。
解説②|在勤手当の種類について
次に、在勤手当の種類について説明したいと思います。
在勤手当には、以下の8つの種類があります。
(1)在勤基本手当
→在勤手当の基本給にあたる
(2)配偶者手当
→配偶者のいる教員に在勤基本手当の月額100分の12.5に相当する額が支給される
(3)子女教育手当
→子供のいる教員に対して、現地で教育を受けるのに必要な経費が支給される
(4)住居手当
→現地での住居費が支給される(支給水準は、大使館員の水準を参考に決定される)
(5)健康管理手当
→派遣2年目以降の教員とその家族に、健康診断のための費用が支給される
(6)不健康地健康管理手当
→勤務環境が厳しい地域で2年以上勤務する教員に対して、健康管理を目的とする旅行(日本への一時帰国を含む)を行うのに必要な手当が支給される
(7)高地手当
→標高が高い地域で勤務する教員に対して、低地への旅行を行うための費用が支給される(対象となる学校は2校のみ)
(8)防犯手当
→治安が著しく悪い国で勤務する教員に対して、防犯のために必要な経費が支給される
在勤手当は、以上の8つから成り立ちます。ちなみに、これらのうち対象となる手当しか支給されませんので注意が必要です。自分の勤務校はどの手当の支給対象かは、事前研修等で把握しておく必要があります。
解説③|在勤基本手当支給額の例
では具体的に、在勤基本手当とはいくらほど支給されるのでしょうか?気になる金額について、各州の学校を例に紹介したいと思います。
なお在勤基本手当の額は級別で異なります。級の適用基準は、その人の経験年数によります。以下の例は、級の中では最も低い8級(経験年数3年未満)の支給額を紹介しています。
(アジア)A校:203,500円
(北米)B校:262,000円
(中南米)C校:269,000円
(欧州)D校:246,000円
(大洋州)E校:239,200円
(中東)F校:256,500円
(アフリカ)G校:270,700円
以上はほんの一例です。同じ州でも、勤務する学校によって支給される額は大きく異なります。ただし、支給額全般について言えることは、その国の生活環境や文化などに大きく影響されるということです。
これは完全に私のイメージですが、旅行先として人気のあるような生活環境や医療の整っている先進国の支給額が低く、反対に生活面や医療面などに不安がある発展途上国では支給額は高いように感じます。(もちろん全てがそうとは限りません)
解説④|この記事のまとめ
最後に、私が日本人学校で3年間勤務して感じた給与面の私見を述べておきたいと思います。率直な感想として、在勤手当が「足りない」 or 「少ない」と感じたことは1度もありませんでした。
私はこれといって趣味もなく、ファッションや娯楽も最低限で十分満足して生活できるタイプの人間のため、金銭面で不安や不満を感じたことはありませんでした。
派遣期間中は、日本の口座に国内給与も振り込まれ続けていたので、ありがたいことに、ある程度まとまった額を貯金をすることもできました。帰国した現在は、国内給与しか支給されていないので(当たり前)なんだかお給料が減ってしまったような感覚すらあります。
ただし、あくまでこれは私個人の感想ですので、派遣される国や生活スタイルによって状況は大きく異なるのではないかなと思います。
ぜひ赴任される先生方には、お金だけに執着することなく、海外での勤務と生活を存分に楽しんでいただきたいと思います。最後までお読みいただき、ありがとうございました。