【在外教育施設派遣】日本人学校教員の配偶者の現地での仕事・生活・プライベートについて

・「日本人学校で働いてみたい気持ちはあるけど、配偶者は帯同できるの?」

・「配偶者は現地で、どんな生活を送っているの?」

 

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?

 

この記事では、日本人学校教員の配偶者が、現地でどのように暮らすことになるのかについて解説していきたいと思います。

 

解説その①|配偶者の帯同について

「そもそも、配偶者や子供は帯同できるの?」と疑問をお持ちの方もいるかと思いますが、原則として教員の配偶者とその子供は派遣教員に帯同することになります。

 

ただし、これは文科省からの派遣(シニア派遣も含む)の場合であって、それ以外の海外子女教育振興財団からの派遣や、現地採用の場合は事情が異なります。

 

また、文科省からの派遣であっても、配偶者や子供を帯同せず、単身赴任の方もいます。

 

実際に、私の同僚にも、奥さんと子供を日本に残して、単身赴任されている方もいらっしゃいました。

 

単身赴任の主な理由としては、以下のものが多いようです。

・配偶者や子供に健康面の不安がある。

・親の介護がある。

・子供が進学・受験を控えている

 

以前は、単身(独身)では、文科省募集の在外教育施設派遣制度に応募ができなかったそうですが、現在はほぼ全ての自治体で単身(独身)であっても応募可能です。

 

ここからは完全に私見ですが、もしご家族の同意が得られるのであれば、ぜひ家族で一緒に赴任されるべきだと個人的には思っています。

 

なぜなら、個人差はあるものの、海外での生活は日本以上にストレスがかかる場面も多く、日本を恋しく感じる瞬間もやってきます。そんなときに信頼できる家族がいるのは、やはり心強いものです。

 

私自身の経験としても、パートナーと苦楽を共にしたことで、今まで以上に絆が深まったようにも思います。赴任中に起こったトラブルなども、今となっては良い思い出になっています。

 

解説その②|配偶者の仕事について

日本では夫婦共働きのご家庭も多いと思います。そこで気になるのが、「配偶者の仕事はどうなるのか?」ですよね。

 

結論からいうと、日本人学校教員の配偶者は、現地で働くこと(金銭を受け取る活動)は禁止されています。

 

そのため、配偶者が日本で働いている場合は休職・退職して帯同することになります

 

教員同士でご結婚されている方も多いですが、その場合は派遣期間中(2~3年)は配偶者の方は、休職し帰国後に復職する場合が多いようです。

 

私の場合は、妻が民間企業に勤めていたのですが、妻は退職して帯同することにしました。帰国後、以前の仕事に復職することも可能でしたが、現在は別の会社に勤めています。

 

これは配偶者の方の、その後のキャリアにも関わることなので、もし日本人学校での勤務を希望する場合は、事前によく家族で話し合っておく必要があります。

 

解説その③|配偶者の現地での活動と生活について

さて、いよいよ配偶者の現地での活動や生活についてです。先ほども述べたように、配偶者の就労は認められていないため、現地で働くことはできません。

 

そのため、多くの配偶者は現地で積極的にボランティア活動に参加しています。

 

具体的なボランティアの事例として、以下のようなものが多いです。

 

・現地の日本語教室でのボランティア活動

・日本人学校のサポートスタッフとして活動。また場合によっては、授業を受け持つ。(これは特に日本で教員をされていた方が多いです)

・自分の特技を生かして、教室などを開く(華道・エアロビクス・吹奏楽など)

・現地で活動するNPOやNGOに参加する。

 

また、ボランティア以外にも、習い事や趣味に時間を使っているという人も多かったです。具体的には、次のような感じです。

 

・現地の言語を学ぶために、家庭教師をつけたり、現地で学校や大学に通ったりする。

・自分の興味のある教室や習い事(ジム・英会話)に通う。

・日本と同じようにショッピングや料理を楽しむ。

 

実際に私の周りでも、色々なボランティア活動に参加して、交友関係を広げている人が多かったように思います。というのも、配偶者は就労できない分、自分から何かしらに参加しないと、家族以外との接点が少なくなってしまい、孤独を感じやすいようです。

 

ただ一方で、日本でできなかった分「家でのんびり過ごす」という方も中にはいらっしゃいました。

 

また、子どもがいる場合には、子どもの送り迎えや、日本人学校のPTA活動に参加されている方がほとんどです。

 

やはり、教員の配偶者という立場上、学校での活動には積極的に参加することが求められます。また、そこでは他の保護者と良好な関係を築いておく必要もあります

 

なぜなら、日本人学校は①夫(もしくは妻)の勤務先であり、②子供が通う学校でもある。というかなり特殊な場所だからです。日本人学校というのは、こういった特殊な性格をもっているので、このあたりの活動には注意が必要です。

 

 

 

解説その④|配偶者の妊娠・出産

2~3年間の任期の間に、配偶者が妊娠や出産という経験をする場合もありますが、これはどの国に赴任するかによって、かなり事情が異なります。

 

妊娠が分かった場合に、最初にすべきことは「どこで出産するかを決める」ということです。

 

赴任する国によって、医療水準やシステムは異なりますし、日本語は通じないことがほとんどです。(ただし通訳をつけたり、日本人医師が常駐している場合もあります)

 

このようなことを総合的に考えて、現地で出産するか・帰国するか・第三国で出産するかを決めなければいけません。

 

もし、日本で出産をすると決めた場合にも、現地で定期健診を受診しておく必要があります。

 

実際に、私の同僚の中にも赴任中に配偶者の妊娠が分かった方がいました。かなり悩まれた結果、最終的には現地出産を選ばれ、お子さんも無事元気に生まれました。

 

ただ、やはり日本との違いにかなり戸惑った部分もあるとのことだったので、そこはご家族でよく話し合って決めるしかないのかなと思います。

 

本記事の終わりに・・・

いかがだったでしょうか。やはり、海外での生活ということで、日本での暮らしとは大きく異なる部分も多く、配偶者の方にとっても戸惑う部分は多いかもしれません。

 

色々と苦労することも多いですが、現地で得られる時間や経験というのは何事もにも代えがたいものだと思います。

 

さらに、それが家族と一緒なら、より素晴らしいものになると思います。

 

この記事が、読んでくださった方の背中を押すものになれば幸いです。